つねぴーblog

元「とある研修医の雑記帳」。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

踵膝試験の方法とその意義(+動画)

踵膝試験(かかとひざしけん)の方法とその意義(+動画)

 

踵膝試験とは運動失調の有無をみるための神経診察。患者に仰臥位になってもらい、片足の踵を出来るだけ高く挙げてもらい、それを出来るだけ正確にもう一方の下肢の膝にのせ、そのまま脛にそって足首まで踵を滑らせる。そして踵を再度膝に戻してもらい同じ動作を何回か繰り返してもらう。これらの動作がうまくできなければ小脳失調を示唆する。

また、健常者であれば足首まで行った踵を正確に膝に戻すことが出来るが、小脳失調のある患者は踵をバタンと激しく叩きつけるように無関係の場所に付けてしまう。

 

小脳失調には測定障害運動分解とがある。

踵を膝に正確に載せられないのは測定障害。脛に沿って滑らかに踵を移動できない、ぐらぐらと揺れてしまい円滑に動かすことができないのであれば運動の分解(decomposition)である。運動分解とは運動がなめらかな1つの運動として行えず、細かい運動を細切れにしたようなカクカクな運動となる。小脳の運動のフィードバックがうまく働かないからと考えられている。

 

注意点1:何回か踵膝試験を繰り返させる。1回だけだと健常人であってもうまくできないことはあるが、数回繰り返させるうちにほぼ完璧に出来るようになる。逆に小脳障害のある患者では数回繰り返す程度ではうまくできるようにはならない。

 

注意点2:因みに、眼を空けても閉じてもうまくできなければ小脳失調を示唆するが、開眼時はうまくできても閉眼するとうまくできなくなると深部感覚の異常を示唆する。深部感覚障害があっても視覚による補正があれば測定障害は目立たなくなる。つまり、開眼の状態で異常が見られてもすぐに小脳障害と判断してはならない。

 

【膝踵試験陽性の一例】

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