つねぴーblog

元「とある研修医の雑記帳」。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

ジストニアとジスキネジアの違い

似ている言葉の整理

 

◯ジストニアとは

 

ジストニアとは身体の一部または全身に不随意の持続的な筋収縮が生じる症候群。語源はdys=異常、tonia=緊張であり緊張の異常という意味になる。

持続的に筋収縮が起こるために身体の捻転や反復運動、姿勢異常が生じる。身体のどこにでも生じうるもので、例えば首に生じたら痙性斜頸、手なら書痙というような病名がついている。

人間は通常、身体の筋肉を動かす時にその協同筋の収縮と拮抗筋の抑制にが生じるが、ジストニアにおいては協同筋も抑制筋も同時に収縮してしまっている状態となる。協同筋と抑制筋の収縮の持続や規則性の程度によってジストニアは姿勢異常であったり、振戦やミオクローヌス用の運動であったり様々な症状を呈しうる。

尚、責任病変としては大脳基底核、視床、視床下核などが上げられる。大脳基底核病変で運動障害を生じた患者の内36%がジストニアを呈し、また視床や視床下核病変で運動異常を生じた患者の30%がジストニアを呈したという報告もある。また、大脳皮質や脳幹、小脳、脊髄の病変でもジストニアを生じる例も数多く在り、ジストニア症状の発現部位によって病巣が異なると考えられている。

 

◯ジスキネジアとは

ジスキネジア(dyskinesia)は運動(kinesia)の異常(dys)という意味。

元々は向精神薬などの薬剤によって誘発された不随意運動に用いられた言葉であり、不随意運動の性状を表す言葉ではない。ジスキネジアの原因薬剤としては以下のものが知られている。

・向精神病薬(フェノチアジン系薬剤、ブチロフェノン系薬剤)

・抗パーキンソン病薬(抗コリン薬、Ldopa、ドパミン作動薬)

・抗てんかん薬(フェニトイン、カルバマゼピン)

ジスキネジアの例↓

・顔面部のジスキネジア:(口をもぐもぐさせたり、舌を動かしたり→口舌ジスキネジア)

・頸部体幹のジスキネジア:(斜頸や項部後屈、体幹をゆするような)

・体肢ジスキネジア(手を回内、回外させたり、足踏みしたり) 

ジスキネジアを疑ったら原因となるような薬剤を服用していないか確認する。また、高齢者であれば薬剤がなくても口舌ジスキネジアを生じうることが知られている。

 

(まとめ)

ジストニア→筋肉の緊張異常(協同筋も抑制筋もどっちも緊張し続ける)

ジスキネジア→薬剤を飲んだ後に生じる不随意運動