スティーブンス・ジョンソン症候群の診断基準
スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)の診断基準
以下、主要項目の3項目全てを満たす場合をSJSと診断する。
・主要所見(必須)
① 皮膚粘膜移行部の重篤な粘膜病変(出血性あるいは充血性)がみられる
② びらんもしくは水疱は体表面積の 10%未満である
③ 発熱
・ 副所見(参考)
① 皮疹は非典型的ターゲット状多形紅斑である
② 角膜上皮障害と偽膜形成のどちらかあるいは両方を伴う両眼性の非特異的結膜炎
③ 病理組織学的に、表皮の壊死性変化を認める
尚、びらんや水疱が体表面積の30%以上の場合はTENへの移行が考えられるため、SJSでは症状のピーク時に症状の再評価が必要。
ERでのアプローチ簡単にまとめ
・発熱と皮疹があれば必ずSJSは鑑別に挙げる
・診断基準を満たしていなくても(例えば重篤な粘膜疹はあるが熱はない)等の場合は今後SJS移行の可能性も考慮する
・薬剤性はSJSの半数に過ぎず、感染症によるものも20%ほどある。
・薬剤性の原因は抗てんかん薬、解熱鎮痛薬、抗生物質などが主。
(特に2週間以内に開始していることが多い)
・全身性の紅斑に加えて粘膜移行部(目、口唇、鼻、外陰部)に皮疹(粘膜疹)がないかチェック。
・紅斑の性状は非典型的ターゲット状多形紅斑と呼ばれる中央が紫褐色調の類円形紅斑が多発して癒合傾向を示す。
・角膜における炎症は眼球癒着や視力障害による失明を引き起こしうるので要注意
・特異的な検査はないが採血でWBCやCRPの上昇や肝機能異常、腎機能異常など様々な異常が出現しうる。
・治療は原因薬剤の中止+ステロイドパルス、更には血漿交換や大量免疫グロブリン療法が必要になることも。
・原則ICU管理