つねぴーblog

元「とある研修医の雑記帳」。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

失神患者を帰してよいのか”CHESS”

失神の原因は様々ある。

・不整脈や心筋梗塞など心原性失神

・消化管出血や高度の脱水などによる起立性低血圧

・クモ膜下出血や脳梗塞、TIAなど頭部が原因のもの

・血管拡張薬、交感神経遮断薬などの薬剤性

・低血糖や電解質異常など… 

この他、原因のわからない失神は30%前後あるという。

 

心筋梗塞や消化管出血など明らかな原因があれば入院加療と方針は簡単に決まるが、原因が判然としない失神の場合はER的に帰宅させてよいのかどうか迷ってしまう。

そこで、San Francisco syncope rule(CHESSのルール)というものをご紹介。

【CHESS】

Congestive heart failure;心不全

Hematocrit<30%;貧血

ECG abnormality;心電図異常

shortness of breath;息切れ

systolic BP<90mmHg;低血圧

これら5つの項目で1つも満たさなければ一週間以内に重大なイベントが起こる確率は低いというデータであり、1つでも満たせば入院治療が必要。また、感度74〜96%、特異度は60%と言われており、あくまで参考程度にしたほうがよいのかもしれない。また、このCHESSが提唱されているアメリカでは日本のようにERから帰宅してからの医療アクセスがそこまで容易ではないため、経過観察入院のハードルは日本よりも低いものと考えられる。

 

元ネタ論文

http://www.annemergmed.com/article/S0196-0644(03)00823-0/abstract