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とある研修医の雑記帳

東京から大阪の医学部へ亡命して研修医になった人のブログ。勉強のまとめ、思いつきの考察、ちょっとした雑学などなど。アウトプットが趣味です。

たこつぼ型心筋症と心筋梗塞の違い

たこつぼ型心筋症と心筋梗塞の違い

 

たこつぼ型心筋症とは胸痛とST上昇など心筋梗塞に似た心電図変化を認めながら冠動脈の有意狭窄を認めない状態を言う。原因は明らかになっていないが、精神的あるいは身体的ストレスを受けた高齢女性に発症しやすいことが知られている。予後は一般的に良好。ERでは心筋梗塞なのかたこつぼ心筋症なのかの鑑別は難しいが、心電図上では急性心筋梗塞とは少し違ったポイントが有る。

 

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画像参照:http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/heart/pamph95.html

 

【たこつぼ心筋症での心電図…】

・ST上昇がV4-6で顕著であり、V1-3ではあまり目立たない。

・鏡像変化(対側のST低下)を認めない

・経時的に陰性T波が出現する

・異常Q波を認めないことが多く、あっても回復する

 (参考:心電図パーフェクトマニュアル、心電図トレーニングクイズ)

 

また、心筋梗塞で上昇するCPKの上昇も認められないか、軽度(何故なら心筋は壊死していないから)。心エコーでは左室心尖部の無収縮と基部の過収縮が特徴的な所見。

 

が、たこつぼ心筋症の診断には前述の通り、冠動脈での有意狭窄がないということが条件となっている。故に病歴、症状や心電図、そして心エコーでたこつぼ心筋症を強く疑っても血管造影で狭窄していないことを確認しなければ診断には至らない。いくらたこつぼ心筋症っぽくても実際には急性心筋梗塞であったら致死的なので基本的には心筋梗塞として動く必要がある。