つねぴーblog

元「とある研修医の雑記帳」。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

旅行者下痢症の定義とその原因

旅行者下痢症とは旅行中に感染した下痢症の総称。症状は旅行後に出現する場合も少なくない。

「感染症の謎999」では症状として腹部症状に加えて一日に3回以上の排便を旅行者下痢症と定義されている。

「内科診療リファレンス」では「熱帯地域到着後一週間以内に発症し、1−5日以内に自然軽快する下痢症」と説明されている。

 

東南アジアなど発展途上国に旅行した場合60%近くの人が下痢症を発症するとの報告もある。渡航地域によって下痢の原因は異なる。

 

◯東南アジアではカンピロバクターが原因として多く(約30%)、また同地域ではキノロン耐性率が高いことも問題。

◯東南アジア以外では腸管毒素原性大腸菌(ETEC)が原因として最多。それに腸管凝集性大腸菌、ノロウィルスと続く。

 

また、感染症以外にも食事の影響によって下痢を起こすこともある。東南アジアではミネラル成分の多い硬水が原因で、マグネシウムが多量に含まれていると人によっては消化管の運動が亢進して下痢を引き起こす。またスパイスの強いエスニック料理を食べても普段食べていないとやはり消化管の運動は亢進して下痢となりうる(腹八分目にしておくとよいのかもしれない…)。

 

旅行者下痢症の検査は感染性腸炎に準じる。重度の脱水やそれに伴う臓器障害がないか。また、便培養は提出しておいたほうが無難。

治療としてはORSなどを用いた補水やビオフェルミンなどの整腸剤を処方する。