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とある研修医の雑記帳

東京から大阪の医学部へ亡命して研修医になった人のブログ。勉強のまとめ、思いつきの考察、ちょっとした雑学などなど。アウトプットが趣味です。

動脈ラインの適応とその意義

動脈ラインの適応とその意義

 

動脈ライン(Aライン、artery line)は正確には観血的動脈圧測定という。つまり、動脈内にカテーテルを挿入し、動脈内の圧力をトランスデューサーでデジタル信号に変換して連続的に動脈圧をモニターすることが出来る。

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画像参考:http://www.derangedphysiology.com/main/core-topics-intensive-care/haemodynamic-monitoring/Chapter%201.1.6/interpretation-abnormal-arterial-line-waveforms

 

【Aラインの意義】

Aラインのメリットは連続的に血圧を測れるだけでなく、動脈圧の波形をモニターできることにある。動脈圧波形は多くの情報を含んでいる。

例えば…

・波形の立ち上がり

(傾きをみることにより心収縮能力がわかる)

・波形の戻り

(立ち上がった血管が速やかに元に戻れば血管の抵抗性が低い)

・波形の硬さ

(動脈硬化が進んで血管が固い場合、動脈圧の波形は垂直に近いようになる。一方で血管が柔らかければ滑らかに上昇していく)

・大動脈弁閉鎖ノッチの有無

(循環血液量が少ないか、末梢血管抵抗が低いかなどがわかる)

 

【Aラインの適応】

ではどのような時にAラインを考えるのか。連続的に血圧を測りたいだけならマンシェットを巻けばいいので適応とはならない。

逆に、マンシェットで血圧が測れない時は良い適応となる。

例えば…振動や体動が激しく正確に測定できない時、人工心肺の使用で脈圧が無くなる場合、駆血を行っていてマンシェットでの測定が信用性に乏しい時など

また他にも、術中に頻回の採血が必要な場合も適応となる(大量出血が予想され貧血の程度を知りたい時、呼吸代謝管理で血ガスを定期的に見たい時など)