とある研修医の雑記帳

東京から大阪の医学部へ亡命して研修医になった人のブログ。勉強のまとめ、思いつきの考察、ちょっとした雑学などなど。アウトプットが趣味です。

CPAPとBIPAPの違い

CPAPとBIPAPはNPPVのうちの1つ。

 

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NPPVとは非侵襲的陽圧換気のことで気管チューブを用いずに顔にマスクを当てることによって換気を行わせる方法。

 

 

■CPAPとは

Continuous Positive Airway Pressure(持続的気道陽圧)の事。

CPAPは人工呼吸器の1つのモードであり、睡眠時無呼吸症候群など上気道が閉塞してしまっている患者に用いる。常に圧力をかけ続けることで上気道の閉塞は解除されるが、そこから吸気して酸素を取り込むのは患者自身の力による。つまり、自発的な呼吸が出来ることがCPAP装着の前提条件。またCPAPでは常に陽圧をかけるためにPEEPと同様に肺胞の虚脱を防ぐ役割がある。

 

【左は上気道が閉塞した状態、右はCPAP=圧力をかけて閉塞を防いでいる。】

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http://seikohkai-hp.com/treat/sas.html

 

■BIPAPとは

BIPAPはBilevel positive airway pressure の略である。

bilevel、つまり2つのレベルのある気道陽圧ということになる。

CPAPは常に一定の陽圧であったのに対してBIPAPは2種類の圧力IPAPとEPAPがかかる。IPAPは吸気時の圧力、EPAPは呼気時の圧力。CPAPは自発呼吸をサポートするモードであり、CPAPのように常に陽圧がかかり(下の図で言うEPAPに相当)、吸気時では更に陽圧が高まって(下の図でいうIPAPに相当)呼吸をサポートする。

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画像参照http://tnagao.sblo.jp/archives/201509-1.html

 

【CPAPとBIPAPの関係を示した図】

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グラフ引用:http://www.nataliescasebook.com/tag/positive-airway-pressure-ventilation

 

一番左が通常の呼吸状態。吸気で圧力は上がり、呼気で圧力は下がる。

真ん中の波がCPAPの時の圧力の変化。CPAPは左の通常の呼吸よりも常に一定の圧力が加えられており、上気道の閉塞や肺胞の虚脱を防ぐことが出来る。右のグラフはBIPAPモード。EPAPはベースとなる圧力のことで、吸気のタイミングで更に圧力が加わりIPAPとなる(IPAPからEPAPをひいた圧力をPS;pressure supportという)。BIPAPは自発呼吸しているが換気が不十分でCO2が貯留している患者などで良い適応である。