とある研修医の雑記帳

東京から大阪の医学部へ亡命して研修医になった人のブログ。勉強のまとめ、思いつきの考察、ちょっとした雑学などなど。アウトプットが趣味です。

動脈血ガスでpH7.4前後の時の解釈

血液ガスpH7.4前後の時の解釈

 

血液pH7.35以下であればアシデミア、7.45以上であればアルカレミア。

その間であれば正常値。

 

動脈血ガスで正常値であれば何も起きていない至って正常な状態であるか、もしくはアシドーシスやアルカローシスがあるが代償されてpH的に正常値に落ち着いている場合がある。

例えば代謝性アシドーシスがあっても呼吸性アルカローシスの代償によりpHが正常値に補正されている場合などがありうる。が、一時点の血ガスのデータだけみるとpHが正常値でHCO3-が低値で更にPaCO2が低値であればHCO3−とPaCO2のどちらが先に狂い始めたのかわからない。

 

そこで大事なのは血ガスを取る前にアシドーシスなのかアルカローシスなのかどちらに酸塩基平衡が傾いているのか考えてから取ることである。

 

例えばCOPDのような肺疾患、神経筋疾患などによって呼吸がうまくできないような患者の場合は換気量が減って体内にCO2が蓄積する。よって呼吸性アシドーシスがあるのではないかと疑って血ガスを取る。そうすると代償性に代謝性アルカローシスが起きていてもデータの解釈で迷ってしまうことはない。

 

以下、各論

 

呼吸性アシドーシス(PaCO2>45)かつ代謝性アルカローシス(HCO3->26)の時

 

◯呼吸性アシドーシスになる背景がないか考える

→例:COPDなどの基礎疾患、神経筋疾患などで呼吸筋がうまく働かない、側弯症など物理的に換気がしにくい

 

◯代謝性アルカローシスになる背景がないか考える

→例;嘔吐(胃酸の喪失でH+が失われる)、低カリウム血症(血中のカリウムが低いと、細胞内からK+が出てきて代わりに血中のH+が細胞内に取り込まれる)

 

呼吸性アルカローシス(PaCO2<35)かつ代謝性アシドーシス(HCO3- <22)の時

 

◯呼吸性アルカローシスになる背景がないか考える

→例:PaO2の低下ないか(PaO2が低いと代償的に呼吸数は増える、すると血中のCO2はどんどん放出される)、過換気症候群(過度のストレスで過呼吸ないか)

 

◯代謝性アシドーシスになる背景ないか考える

CO2以外の酸が蓄積する場合:敗血症(乳酸の蓄積)、糖尿病性ケトアシドーシス(ケトン体)、飢餓状態(ケトン体)、尿毒症(リン酸)、中毒(メタノールなど)

HCO3-が減少する場合→下痢、尿細管性アシドーシス