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とある研修医の雑記帳

東京から大阪の医学部へ亡命して研修医になった人のブログ。勉強のまとめ、思いつきの考察、ちょっとした雑学などなど。アウトプットが趣味です。

動脈血液ガスで酸塩基平衡の評価方法

ER なぜ? 血液ガス

動脈血ガスの見方

 

◯血液ガスで何がわかるのか

 

血液ガスの項目にはpH,PaCO2,PaO2,HCO3-の4項目がある。

血液ガスを測定する目的は大きく分けて2つである。

1.呼吸に異常がないかみる

→PaO2とPaCO2をチェック

2,酸塩基平衡に異常がないかみる

→pH、PaCO2、HCO3-をチェック

この2つがごっちゃになると解釈がわけわからなくなるので必ず呼吸なのか、酸塩基平衡なのか何に注目しているのか考える。 

 

このページでは酸塩基平衡についてまとめ。

 

【イラスト】

f:id:tsunepi:20161218064352p:plain

参考画像:http://www.eonet.ne.jp/~hidarite/ce/kokyuu04.html

 

 

◯まずは血液が酸性なのか、アルカリ性なのか判断する

pHを見てアシデミアなのか、アルカレミアなのか確認する。

pH<7.35でアシデミア、pH<7.45でアルカレミア

(アシドーシスとアシデミアの違いについてはこちらを参照→

アシデミアとアシドーシスの違い - とある研修医の雑記帳

 

 

◯代謝性の問題なのか、呼吸性の問題なのか判断する

体内で酸塩基の調節をしている臓器は肺と腎臓。

肺ではCO2を放出することで、腎臓ではHCO3-を排泄することでpH調節を行う。

肺が原因で体内のCO2バランスが崩れる場合を呼吸性アルカローシス、呼吸性アシドーシスなどと呼ぶ。

・例えば呼吸の効率が悪くなって酸性物質であるCO2を吐き出せなくなってアシドーシスになる場合は呼吸性アシドーシスである。

 

一方で腎臓など代謝系に問題が生じてHCO3−が蓄積してpHバランスが崩れることを代謝性アシドーシス、代謝性アルカローシスなどと呼ぶ。

・例えば糖尿病患者の場合、インスリンが枯渇して糖を利用できなくなり、代わりのエネルギー源として脂肪を分解する。脂肪は分解されて酸性物質であるケトン体になる。ケトン体が増えすぎると血中のpHも酸性に傾き、このような場合を代謝性アシドーシスという。

 

◯呼吸器に問題ないか→PaCO2をチェック!

CO2は肺から放出されるのでこの値を見ることにより呼吸器に原因がないかを確認できる。

・PaCO2が高ければ(PaCO2>45Torr)CO2が蓄積して血中に酸性物質が多いことになるので呼吸性アシドーシス

・PaCO2が低ければ(PaCO2<35Torr)CO2が排出されて酸性の物質が血液中に少ない状態であるので呼吸性アルカローシス。

 

◯腎臓など代謝系に問題ないか→HCO3-をチェック!

 ・HCO3-が低ければ(HCO3- <22)アルカリ性物質が減っているので血液は酸性に向かい代謝性アシドーシス。

・HCO3-が高ければ(HCO3−>26)アルカリ物質が蓄積しているので血液はアルカリ性に向かって代謝性アルカローシスとなる。

 

◯代償が起きているかどうか見る

例えば呼吸不全がありPaCO2が高くなり呼吸性アシドーシスの場合、血中に酸性物質がたまりpHが高くなってしまう。その場合、腎臓がHCO3-を調節することによりpHが高くなりすぎないように調節する。具体的には呼吸性アシドーシスの場合はHCO3-の値を見てHCO3->26と代謝性アルカローシスであれば腎臓が頑張って代償してくれているということになる。

逆に腎臓に問題があり、HCO3-が蓄積して代謝性アルカローシスの時には反対側のPaCO2をみて肺が頑張って代償性の呼吸性アシドーシスになっているかどうか(PaCO2>45Torr)を確認する。

代償でどの程度の変化が起きるかは↓記事参照

アシドーシスやアルカローシスの代償の目安 - とある研修医の雑記帳

 

◯もし、代償が起きていなかったらどう考えるか

例えばもし代謝性アシドーシスがあれば肺が代償してCO2をどんどん出していく。もしこの代償が起きていないということはかなりの急性期。

一方で呼吸性アシドーシスなどの場合は逆に腎臓が代償を行ってHCO3-を貯めてアルカリを増やす。呼吸性の代償と違い、腎臓は尿中のHCO3-を再吸収と言うかたちで代償するので代償に時間がかかる。数日はかかると言われている。代償が起きていない場合は「まだ代償している途中」と考えるとともに「他の病態がないか」考える必要がある。