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とある研修医の雑記帳

東京から大阪の医学部へ亡命して研修医になった人のブログ。勉強のまとめ、思いつきの考察、ちょっとした雑学などなど。アウトプットが趣味です。

移行帯の変化とその原因

ER 心電図 循環器

心電図における移行帯とは

 

健常人の胸部誘導においてR波はV1からV5にかけて徐々に大きくなり、V6で少し小さくなる。S波はV2誘導で最も大きくなり、V3からV6にかけて少しずつ小さくなる。上に出ているR波と下に出ているS波の高さが等しくなっているところを移行帯という。(R/S=1)

 

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https://www.kango-roo.com/sn/k/view/1938

 

正常の移行帯はV3ーV4の間にある。移行帯がV2側にずれていることを反時計方向回転または右方移動(患者の右手側)といい、移行帯がV5誘導側にずれている場合を時計回転または左方移動(患者の左手側)という。が、健常人でも移行帯の変化が見られることがあり病的意義は少ない。移行帯変化の評価は他の心電図異常と合わせて行われる。

(注意:時計回転、反時計回転という言葉はあくまで心臓の電気軸的回転を意味しているのであり、解剖学的な回転方向とは異なる!)

 

◯反時計方向(右方移動)の原因と他の心電図異常

右室肥大(右軸偏位、右房拡大、右側胸部誘導での陰性T波)

完全右脚ブロック(QRS時間延長、V1,V2誘導でrSR’パターン)

後壁梗塞(V1、V2誘導でR波とT波の増高)

 

◯時計方向(左方移動)の原因と他の心電図異常

急性肺塞栓(胸部誘導での陰性T波)

慢性閉塞性肺疾患(Ⅰ誘導での低電位差、肺性P波)

前壁中隔心筋梗塞(V1-V4誘導での異常Q波)

 

参考文献:心電図トレーニングクイズ、心電図パーフェクトマニュアル