足首の捻挫でいつ骨折を疑うか(オタワ足関節ルール)
【”足首の捻挫”でいつレントゲンを取るか】
足首をひねった患者が来て、痛みが強い場合とりあえずルーチンでレントゲンを取られてしまうことが多いが、オタワでは無駄なレントゲン撮影を防ぐためにどういう時に骨折を疑うのか、レントゲンの必要がないかなどというガイドライン的な規約が作られた=Ottawa Ankle Rule
【オタワ関節ルールとは】
●足関節レントゲン(正面、側面、mortise)は以下の時にオーダーする
●足部レントゲン(正面、斜位)は以下の時にオーダーする
イラスト参照:http://wellfrog4.exblog.jp/17546795/
日本では骨折の可能性が少しでもあればレントゲンを取るのがほぼルーチンのようであるが、海外では医療費の抑制のために少しでもレントゲンを取る回数を減らせるような基準が数多く作られている。オタワ関節ルールもその一種であり、これを導入したカナダでは足首捻挫の患者においてレントゲンの施行を24%減らし、それに伴い医療費は36%、待ち時間は69%減少させることが出来たとのデータもある。
【オタワ関節ルールの問題点】
・オタワ足関節ルールの適応は臨床的に問題となるような骨折であり、3mm以下の剥離骨折は見逃す可能性がある。臨床上は問題にならなくても患者の心情的には問題になりうるので説明をしっかりとする。
・オタワ足関節ルールの適応は18歳以上。それ以下の子供は症状と受傷機転から考えてレントゲンをオーダーする。高齢者には適応があるが、ステロイド内服や担癌患者などでは骨折リスクもましてくるので積極的にレントゲン撮影を考慮する。