鎖骨骨折への対応(+画像)
【鎖骨骨折の単純レントゲンの一例】
【受傷機転】
典型的には肩から転倒、鎖骨の直接強打など
【身体所見で見るべきもの】
視診で変形、腫脹、擦過傷、斑状出血の有無
圧痛点の有無と部位
神経症状の確認(腕神経叢の損傷)
循環障害の有無(鎖骨下動静脈の損傷)
呼吸音(気胸の合併)
【合併症の有無】
頸部痛、胸部痛、呼吸困難感、感覚障害などについても問診する。(鎖骨骨折が疑われる患者では肺損傷や肋骨骨折の可能性もある)
【検査】
鎖骨単純X線2方向(正面像、30度斜位像)
息切れ症状あれば胸部X線追加(気胸の検査)
【治療】
・中央~内側の骨折であればクラビクルバンド、外側の骨折であれば三角巾固定(割合としては80%が中央部の骨折)
・アセトアミノフェンなど鎮痛薬処方。
(クラビクルバンドの例)
(画像参照:http://minkara.carview.co.jp/userid/1580269/blog/35855395/)
【整形外科コンサル/近医フォローについて】
・開放骨折、2cmを超える転位、骨折により覆ってる皮膚がテント状に挙上して張力がかかっているケースでは整形外科コンサル。
・合併症のない単純骨折であれば一週間以内に近医整形外科受診してもらいフォロー。
・1週間以上三角巾で固定し続けるのは禁忌であり肩関節の可動域が減少しかねない(凍結肩)。整形外科で肩関節の振り子運動を開始し、最大限まで動かしても痛みがなくなったら抵抗を付加する筋力トレーニングも行ってもらう@近医