つねぴーblog@内科専門医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

移転しました。

帯状疱疹の入院適応

帯状疱疹とは水疱・帯状疱疹ウィルス(VZV)の再活性によって疼痛や皮疹が出現する疾患である。多くの場合は外来通院で治療可能でアシクロビルの内服で対応できる。

 

が、帯状疱疹はただの皮膚の痛みだけでなく、全身に合併症を起こす可能性があるので注意が必要。

 

合併症の例

・帯状疱疹後神経痛(高齢者の半数は皮疹消失後も痛みが残る)

・髄膜炎、眼球の炎症(三叉神経領域の帯状疱疹で)

・麻痺性イレウス(腹部の帯状疱疹)

・膀胱直腸障害(陰部、臀部の帯状疱疹)

 

入院を考慮するケース(=アシクロビル点滴が必要なケース)

・上記の合併症がすでに出ている場合

・頸部より上の帯状疱疹(三叉神経領域の帯状疱疹は中枢神経に波及しやすい。特に第一枝領域では眼球への波及が効率で起こるので眼科にコンサル必要)

・免疫力低下の基礎疾患がある場合(DM、悪性腫瘍、HIV、ステロイド)

・複数の領域で帯状疱疹が認められる場合(汎発性帯状疱疹)

 

上記のようなケースに該当せず、健常人の限局性の帯状疱疹であれば救急外来ではアシクロビル処方で翌日以降の皮膚科受診で再評価してもらう。