つねぴーblog@内科専門医

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移転しました。

食事の脳への影響『脳を最適化する』

食事の脳への影響『脳を最適化する』のメモ書き

 

【グルコース】

・「私たちはほぼ食べたものでできている」というのはやや誇張表現。というのも血液脳関門が脳内に通す栄養素を選別するので、食べたものがすべて脳に届くわけではない。

・脳は栄養素としてグルコースを利用している。グルコースは加工食品や砂糖が多く含まれた食品よりも自然由来の食品のほうが長く安定的に使える燃料となる。

・グルコース投与がプラセボと比較して注意制御を含む認知課題において処理速度が改善するという研究結果も実際にある

・認知機能を向上させることが明らかになっている食事として地中海食が注目を集めている。地中海食では野菜、フルーツ、シリアル、不飽和脂肪酸(オリーブオイル)をたくさん、乳製品、肉、飽和脂肪酸は少なく、魚とお酒は適度にとる。

・米国国立衛生研究所のメタ分析でも地中海食はアルツハイマーのリスクを減らし、認知機能低下を遅らせることが明らかにされている。

 

【脂肪】

・脳は脂質で出来ている臓器である。食事で大事なのはオメガ3とオメガ6脂肪酸。オメガ3の十分な摂取が認知機能低下を予防することが知られている。オメガ6の摂り過ぎは認知機能低下させる。

オメガ3:鯖、ニシン、サケ、マグロ、キウイ、ナッツなどに多い

オメガ6:大豆、ごま、コーンなどから抽出された油に多い

 

【抗酸化物質】

・脳には抗酸化物質も良い。

抗酸化物質はフリーラジカルを消去する働きがある。フリーラジカルは脳細胞やDNAを傷つける。抗酸化物質を含むもの…

αリポ酸:ほうれんそう、ブロッコリー、芋

ビタミンE:植物油、ナッツ、緑の葉野菜

ビタミンC:柑橘類や野菜

特に緑の葉野菜を多く取り、フルーツをそれより少なめに取ることが認知力の低下率を抑えることが知られている。 

 

【サプリメント】

サプリメントが脳の機能を改善するというエビデンスは今のところ全く無い。様々な臨床研究が行われてきたがすべてプラセボ以上の効果はない。

・むしろセントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)はHIV治療薬のインジナビルや癌治療薬などと著しい薬物相互作用を示すことが知られており望ましくない。

 

【アルコール】

・米国国立衛生研究所のメタ分析ではアルコールを軽くたしなむのは認知機能低下のリスクを減らすという結果がでている。が、「たしなむ」の定義が週1〜2杯から週13〜28杯とひどくばらついている模様。

・アルコールが脳に良い機序としてHDLコレステロールの上昇が考えられる。つまり血栓を形成する要因を減らし、脳の血管を守る。