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とある研修医の雑記帳

東京から大阪の医学部へ亡命して研修医になった人のブログ。勉強のまとめ、思いつきの考察、ちょっとした雑学などなど。アウトプットが趣味です。

急性期DICの診断基準

DIC(播種性血管内凝固症候群)の診断基準

 

・DICとは

DICとは種々の基礎疾患(敗血症、悪性腫瘍、産科疾患、高度外傷など)を元に血液凝固能が亢進し、全身の細小血管に血栓が多発し、臓器の虚血性機能障害をきたす疾患である。凝固因子や血小板は消費されてしまい出血傾向をきたす症候群である。(悪性腫瘍では腫瘍細胞が組織因子を産生し、敗血症ではエンドトキシンの刺激で血管内皮細胞や単球が組織因子を産生し、産科疾患では胎盤に由来して組織因子が産生される)。形成された血栓を溶かすために線溶系が亢進し、凝固と線溶が繰り返される。この繰り返しの過程で血小板と凝固因子は大量に消費され枯渇してしまう。

 

・DICの症状

出血症状として…

頭蓋内出血、鼻出血、歯肉出血、消化管出血、血尿、紫斑など

微小血栓による臓器障害として…

急性腎不全→乏尿、心血管障害→ショック、肺障害→ARDS→呼吸困難、脳血栓→神経症状、意識障害

 

・DICの診断基準

 

DICには種々の定義や概念が存在するが、診断基準もこれまで3つ提唱されている

・厚生労働省によるDIC基準

・国際血栓止血学会(ISTH)によるDIC基準

日本救急医学会による急性期DIC診断基準

 

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画像引用:http://www.3nai.jp/weblog/entry/54950.html

 

最も古くから使われているのは厚労省DIC基準であり1987年に発表された(古い)。が、診断基準の「出血症状」や「臓器症状」が明確で無い為客観性に乏しい診断基準でもあった。

ISTHは2001年に発表された厚労省のものを改良したバージョンであるが、overtDICとnon-overt DICと2つの病態により診断基準がわけられており煩雑。

これらの問題点を踏まえて新たに作られたのが救急医学会の急性期DIC診断基準。これはSIRS3項目以上を診断基準に加えていることで感染症によるDICの早期診断が可能な点で厚労省やISTHのものよりも優れている。

 

【救急医学会の急性期DIC診断基準】

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図表引用:http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/48116/1/KS21-7_8_1095-1102.pdf

 

FDPに関してはDダイマーでも代替可能。測定キットによって換算率は以下のように変わる。

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図表引用:http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/48116/1/KS21-7_8_1095-1102.pdf