とある研修医の雑記帳

東京から大阪の医学部へ亡命して研修医になった人のブログ。勉強のまとめ、思いつきの考察、ちょっとした雑学などなど。アウトプットが趣味です。

猫咬傷への対応

猫へ噛まれた患者への対応@救急外来

 

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写真引用:http://matome.naver.jp/odai/2139450632745180701

 

【処置】

・咬傷の深さの評価

・十分な洗浄(20〜30ccの注射器で圧をかけて洗浄)

・大量の生理食塩水または10倍希釈のイソジンで消毒

・創縁のデブリドマン(2mm切除)

・猫咬傷は感染リスクが高いので一次縫合はせず、開放創にする。

(猫咬傷は小さいが深い穿通創となるため感染率は40%にものぼる。他の動物よりも遥かに危険。なお顔面の咬傷は血流多いため感染リスク更にup

 

【症状】

・猫咬傷の場合75%はPasteurella属が占める(主にPasteurella multocida)。この細菌は受傷後24時間以内に膿瘍のない蜂窩織炎を引き起こす。他の黄色ブドウ球菌やレンサ球菌などが原因菌の場合は2−3日で発症する。

 

【抗菌薬予防的投与】

・猫は感染率高いので抗菌薬予防投与は全例必要(ただし予防効果あるのは受傷後3時間以内と言われている)

・猫咬傷での原因菌は猫の口腔内の菌に加えて患者の皮膚の常在菌がありうる。

・処方としてはオーグメンチン®(アモキシシリンとクラブラン酸の合剤)などが嫌気性菌もカバーできるため無難。

・破傷風予防のためトキソイドワクチン筋注も原則必要。

 

【返すとき】

・翌日or翌々日に再度受診してもらいフォローする。

・ただち帰宅後、赤く発赤し始めたらすぐに再度受診するように指示。

・猫咬傷は見た目は大したことないが感染リスク高くて意外と危ないことをよく説明。

 

参考文献

ER実践ハンドブック

STEP Beyond Resident

マイナーエマージェンシー

研修医当直ご法度