各世代のセファロスポリンの違いと使い分け
各世代セファロスポリンの違いと使い分け
【超簡単にまとめると】
・世代が進むに連れてグラム陰性菌をカバー
グラム陽性菌に対しては第一世代>第二世代>第三世代
グラム陰性菌に対しては第三世代>第二世代>第一世代
第四世代は第一世代+第三世代
http://kusuri-jouhou.com/microbe/cephem.html
各世代の代表選手:
第一世代:
セファレキシン(経口)(ケフレックス®)
セファゾリン(静注)(セファメジン®)
第二世代:
セフォチアム(静注・経口)(パンスポリン®)
セフメタゾール(静注)(セフメタゾン®)
第三世代:
セフトリアキソン(静注)(ロセフィン®)
セフタジジム(静注)(モダシン®)
セフジトレンピボキシル(経口)(メイアクト®)
第四世代:
セフェピム(静注・筋注)(マキシピーム®)
【それぞれどのグラム陰性菌に効くのか】
前述の通り、世代が進むごとにグラム陰性桿菌に効くようになる。
何のグラム陰性菌に効くかが大事なので赤で強調してます。
第一世代 セファゾリン(セファメジン®)
グラム陽性菌ではMSSA、ストレプトコッカスをカバーできる
グラム陰性菌はPEKと覚える(proteus,E.coli,Klebsiella)
PEK=プロテウス、大腸菌(EColi)、クレブシエラ
第二世代 セフォチアム(パンスポリン®)、セフメタゾール(セフメタゾン®)
グラム陽性菌では1世代に比べてMSSAのカバーは低下。
グラム陰性菌はPEK+HiMNと覚える
PEK=プロテウス、大腸菌(EColi)、クレブシエラ
HiMN=インフルエンザ桿菌、モラクセラ、ナイセリア
☆セフメタゾールは嫌気性菌バクテロイデスをカバーできるのが売り!同じ第二世代であってもセフォチアムはカバーできない。
第三世代 セフトリアキソン(ロセフィン®)、セフタジジム(モダシン®)
グラム陰性菌はPEKーHiMNーS(P)CEと覚える
PEK=プロテウス、大腸菌(EColi)、クレブシエラ
HiMN=インフルエンザ桿菌、モラクセラ、ナイセリア
S(P)CE=セラチア、緑膿菌(緑膿菌はセフタジジムのみ)、シトロバクタ、エンテロバクター
緑膿菌はセフタジジムでカバー可能!(が、第四世代でも同様にカバーできるので最近は存在感が低下している模様)
セフトリアキソンとセフォタキシムはスペクトラム一緒。緑膿菌はカバーできず。
★同じ第三世代でも性質は全く異なるので注意。
セフタジジムは緑膿菌カバーしてるが、セフトリアキソンとセフォタキシムはカバーできず、代わりに市中肺炎の第一選択となる。
同じ世代であるがもはや 別のものとして覚えたほうが良い。
第四世代 セフェピム(マキシピーム®)
第四世代は第一世代+第三世代といった性質を持つ。
グラム陽性菌:MSSAのカバーは改善
グラム陰性菌はPEKーHiMNーSPACEと覚える
PEK=プロテウス、大腸菌(EColi)、クレブシエラ
HiMN=インフルエンザ桿菌、モラクセラ、ナイセリア
SPACE=セラチア、緑膿菌、アシネトバクタ、シトロバクタ、エンテロバクター
【具体的にいつ使うの?】
・第一世代(セファゾリン)
→黄色ブドウ球菌、レンサ球菌によく効く
→皮膚・軟部組織感染症(とびひ、丹毒、蜂窩織炎など)、化膿性関節炎、骨髄炎、心内膜炎などなど
特徴:セファゾリンは組織移行性が良いので関節、骨、軟部組織などいろんな所に容易に行ってくれる。が、髄膜への移行性はあまりよくないので髄膜炎には用いない。
☆動物咬傷には持ちない。動物咬傷にはオーグメンチン®が良い適応。
【適応】
腎盂腎炎(Ecoliに感受性ある場合)
手術の術前投与
蜂窩織炎(MSSA、ストレプトコッカス)
・第二世代・・・(中略)
・第三世代(セフトリアキソン、セフォタキシム)
グラム陰性菌をターゲットにしているのが売り。
→肺炎球菌による肺炎はペニシリンで治せる
肺炎球菌による髄膜炎は第三世代セフェムを用いる。
【適応】
市中肺炎
細菌性髄膜炎
市中発生の腎盂腎炎、尿路性敗血症
・第四世代(セフェピム)
第四世代は第一世代+第三世代のスペクトラムを持ち幅広い。
グラム陰性桿菌でも上記のSPACEをカバーできるため、カテーテルなど医療関連感染を疑うときに使える
【適応】
入院患者の発熱で医療関連感染を想定した時の初期治療
好中球減少時の初期治療
髄膜炎の初期治療・最適治療
更新中…