急性喉頭蓋炎の診断:vallecula signとthumb sign
急性喉頭蓋炎を疑ったら頚部レントゲンを取るべし
急性喉頭蓋炎とは喉頭蓋が細菌感染により腫脹し、上気道閉塞をきたす。成人発症でも15%は気管挿管が必要で、0.6%は死亡するという非常に危険な疾患でもある。
【急性喉頭蓋炎とは】
・症状:咽頭痛、喘鳴、嗄声、呼吸困難、つばを飲み込めない
・身体所見:咽頭所見に乏しい
→強い咽頭痛や含み声があるが、咽頭所見に乏しい場合に急性喉頭蓋炎を疑う。
(もちろん、急性喉頭蓋炎でも咽頭炎も併発している場合もある。)
【診断】
・喉頭ファイバーで直接喉頭蓋が腫大しているのがわかれば診断は容易(ただし救急外来では喉頭ファイバーは容易に出来ない)
・頚部側面のレントゲンで喉頭蓋の腫大が認められる。
→喉頭蓋谷の消失(vallecula sign)と喉頭蓋の腫脹(thumb sign)
喉頭蓋の腫脹(Thumb sign)は感度 100%、特異度 89.2%
喉頭蓋谷の消失(Vallecula sign)は感度 98.2%、特異度 99.5%
【正常な解剖がわかりやすいレントゲン写真】
nasopharynx:鼻咽頭
soft palate:軟口蓋
hypopharynx:下咽頭
epiglottis:喉頭蓋
trachea:気管
【喉頭蓋と喉頭蓋谷の位置】
【vallecula signの一例】
https://www.carenet.com/dvd/149
【vallecula signの一例】
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9209217
【Thumb sign】
喉頭蓋が腫大し、親指のシルエットのように見える。わかりやすいが感度は50%ほどと低い。
https://www.m3.com/open/clinical/news/article/191727/
http://www.crane.gr.jp/saikin/kotogaien2011.html