つねぴーblog@内科専門医

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移転しました。

混合型インスリン製剤とその適応

混合型インスリン製剤とは

 

糖尿病患者において経口血糖降下薬を何種類か併用しても血糖コントロールが難しい場合は生理的なインスリン分泌が低下していると考えられ、インスリン療法の適応となる。本来であれば基礎分泌と追加分泌を両方補うことのできる強化インスリン療法が望ましいが、強化インスリン療法では超速効型のインスリンを食前3回、持効型インスリンを眠前1回打たなければならない。患者からしてみては2種類の注射を1日に4度も打つというのは心理的なハードルがかなり高い。

 

そこで、強化インスリン療法のある種妥協点として混合型インスリン製剤が用いられる。混合型インスリン製剤は超速効型インスリンと持効型インスリンをmixさせたものであり、配合比率により二種類ある。

・low mix製剤:超速効型インスリンが25-30%配合(朝夕の2回注射)

・high mix製剤:超速効型インスリンが50-70%配合(3食前3回注射)

low mix製剤は主に朝と夕方の二回注射 で基礎分泌と追加分泌の両方をカバーできるので患者からの受け入れは良い(ex.昼間は仕事で打てないというビジネスマン)。一方でhig mix製剤は主に食後高血糖が著しい患者に適応が有り1日に3回打つ事が多い。

 

混合型インスリン製剤でも血糖コントロールがうまく出来ない場合は1日4回打ちの強化インスリン療法への変更を余儀なくされることもある。インスリン分泌能が著しく低下しており、強化インスリン療法に移行する可能性が高そうな患者であれば混合型インスリン製剤は積極的に勧めない。よって混合型インスリン製剤の適応は「インスリン分泌能がある程度保たれていて、強化インスリン療法までは必要ないが、経口血糖降下薬だけではコントロール難しそうな症例」ということになる。