つねぴーblog@内科専門医

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GI療法(グルコースインスリン療法)とは何か

GI療法(グルコースインスリン療法)とはグルコースとインスリンを投与によって高カリウム血症を補正するための治療である。

 

インスリンは末梢組織(筋肉、脂肪)に働きグルコースと共にカリウムを血管から細胞内に移動させる働きがある。

【詳しく言うと…】

標的細胞の膜表面にあるインスリン受容体にインスリンが結合すると、受容体はリン酸化され、更に細胞内のIRSなどのタンパク質をリン酸化していく。最終的にGLUT4タンパクの細胞膜への移動が引き起こされる。GLUT4はグルコースを血中から脂肪内に移動させる働きがあるとともに、血中のカリウムも一緒に細胞へ取り込む。

よってインスリンを投与することによって血中のカリウムが細胞内に移動し、高カリウム血症の治療が出来るのである。なお、当然ながらインスリンで血糖値も下がってしまうのでグルコースを補充しなければならない。つまりグルコースとインスリンを両方同時に投与する必要があるのでそれぞれの頭文字をとってGI療法と呼ばれている。

 

尚、GI療法のプロトコールは施設によって異なるであるが、wikipedia(高カリウム血症)では以下のような方法が紹介されている。

G-I(グルコース・インスリン)療法は、ブドウ糖25gの水溶液(50%液50cc、10%液250cc、5%液500ccのいずれか)に速効性インスリン5-10単位を加えて持続投与するものである。