つねぴーblog@内科専門医

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胃瘻と中心静脈栄養の違いと適応

胃瘻と中心静脈栄養の違いと適応

 

胃ろうと中心静脈栄養は嚥下障害などで経口的に食べ物を摂れない人の栄養管理のために行われる処置である。

・胃瘻は内視鏡を用いて胃と皮膚の間に瘻孔を作り、外部からカテーテルによって栄養を入れる方法である。

・中心静脈栄養は内頸静脈などの中心静脈に経皮的にカテーテルを通して、血管に直接栄養剤を注入する方法。

 

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画像引用*1

 

胃瘻は胃を介して血管に栄養を送り込むのに対して、中心静脈栄養は胃を使わずそのまま血管に 栄養を入れるという点で異なる。

 

【胃瘻の適応】

口腔や食道の機能障害により口から食べ物を摂れない、もしくは嚥下機能が低下している人でなおかつ、胃瘻の適応は消化管を安全に使える人。

適応とならないのは悪性腫瘍の末期や老衰などの患者(尊厳死の観点から)や胃や腸管の疾患で消化吸収機能が低下している場合など

【中心静脈栄養の適応】

中心静脈栄養の適応は消化管が安全に使えず、2週間以上の長期にわたって管理が必要な患者である。

 

(メリット・デメリットのまとめ)

【胃瘻のメリット】

腸管を使うことになるので腸管の粘膜が使われずに萎縮してしまうことを予防できる。

【胃瘻のデメリット】

胃に入れた栄養剤が食道に逆流し、誤嚥性肺炎を起こしてしまうことがある。

 

【中心静脈栄養のメリット】

消化管を安全に使えない人でも適応となる。高カロリーの輸液を行える。

【中心静脈栄養のデメリット】

気胸などの合併症の他に、感染の合併リスクが少なくない。