コアグラーゼとは(黄色ブドウ球菌と表皮ブドウ球菌の違い)
コアグラーゼとは:
血漿を凝固させる働きを持つ酵素(フィブリノーゲンをフィブリンにする)のことであり、これを産生する菌は凝固成分で自らの菌体を覆うために白血球の攻撃から逃れられるようになる。よってコアグラーゼ陽性菌は体内で死ににくくなり、病原性はあがる。
ブドウ球菌はコアグラーゼを産生するかどうかで分類される。
コアグラーゼ陽性菌=黄色ブドウ球菌
コアグラーゼ陰性菌=表皮ブドウ球菌
コアグラーゼ陽性である黄色ブドウ球菌は病原性は強く、傷口から侵入して膿瘍を形成することもある。
一方でコアグラーゼ陰性である表皮ブドウ球菌の病原性は弱く、健常人で問題になることは少ない。ただ、免疫能力の低下している患者に対しては日和見感染を起こすことがある。