とある研修医の雑記帳

東京から大阪の医学部へ亡命して研修医になった人のブログ。勉強のまとめ、思いつきの考察、ちょっとした雑学などなど。アウトプットが趣味です。

肝濁音界が消失する原因

そもそも肝濁音界とは:

 

腹部を打診するときにその場所に何の臓器があるかによって聞こえる音が異なる。

例えば叩いた所に腸管などの空気が溜まっていたらポンポンと高い鼓音がするし、肝臓や脾臓などの実質臓器を叩けば重い低調な音が聞こえる(=濁音)。

 

よって腹部を順番に打診することによって肝臓がどこからどこまであるのか推測することが可能である。一般的には右の鎖骨中線上を順番に打診していくと、肝臓のないところでは清音が聞こえるが、肝臓に差し掛かると濁音が聞こえる。肝臓の下縁まで行くと今度は腸管になるので鼓音が聞こえる。肝臓右葉の縦の長さは個人差があるものの5〜12cm程度と言われている。15cm異常であれば肝腫大を考える。

 

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画像参考元*1

 

肝濁音界の消失の原因

 

肝濁音のする場所が無くなる、小さくなる原因としてはまず肝臓の萎縮が挙げられる。肝硬変などにより肝臓のサイズ自体が小さくなれば叩いても当然濁音は返ってこない。

次に考えられる原因としては消化管穿孔である。消化管に穴が空いてfree airが腹腔内に流出すると肝臓の周りを空気が覆ってしまうので叩いても濁音は聞こえなくなる。

*1:G.I. 911: Rapid Response to Acute Abdomen || National Center of Continuing Education