高二酸化炭素血症で高血圧となる理由
高CO2血症で血圧が上昇する理由
急性呼吸不全などにより血中の二酸化炭素が上昇すると血圧が上昇することが知られている。これは何故であろうか。以下の論文をざっくり紹介。
急性呼吸不全の患者を
・高二酸化炭素血症
・低酸素血症
・低酸素血症+高二酸化炭素血症
・低酸素血症+低二酸化炭素血症
の4グループに分けた。
結果として、高二酸化炭素血症の患者(低酸素血症の有無は問わない)では血圧が高く、更に血管作動性のホルモンが有意に上昇していることが確認された。尚、エンドセリン1やANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)の値も高CO2血症の患者ほど上昇していることもわかった。
結論としては、高CO2血症は交感神経を活性化させることにより血圧を上昇させていると考えられる。その一方で低O2血症にはそのようなシステムはない。おそらく交感神経を活性化して血圧を上昇させ、脈を早くし、呼吸回数を増やすことで体内に蓄積したCO2を迅速に追い出すという目的があるのではないだろうか。