つねぴーblog@内科専門医

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移転しました。

好中球の核の過分葉とは何か

好中球の核の過分葉とは何か

 

好中球とは白血球の一種であり、侵入してきた細菌や真菌を貪食することで感染から身を守る働きをしている。好中球の元となる細胞は骨髄の造血幹細胞であるが、好中球になる細胞はこれは次のように成熟・分化していく。

 

骨髄芽球→前骨髄球→骨髄球→後骨髄球→桿状核球→分葉核球

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イラストはhttp://tnagao.sblo.jp/archives/20141002-1.htmlより引用

 

上の図を見ての通り、桿状核球の状態で骨髄から末梢血にでてくる。そして、時間経過とともに桿状の核は次第に分葉していく。成熟するに連れて分葉数はどんどんと増えていくのであるが、通常は3~4葉程度である。

(*因みに”桿状”は棒状という意味)

 

”好中球の過分葉”とは好中球の核の分葉の数が6個以上に分葉しているものの事を指す。原因としては巨赤芽球性貧血や骨髄異形性症候群などが知られている。

 

実際の末梢血の塗抹標本(ギムザ染色)を見てみるとこのような様子。核が5~6つに分葉しているのがわかる。巨赤芽球性貧血での一例)

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写真はhttp://www.nkp-center.jp/ccsg/vol9.htmより引用(