安定狭心症と不安定狭心症の違い
安定狭心症と不安定狭心症の違い
【狭心症とは】
狭心症とは心臓を栄養する冠動脈の血流が不十分になり、胸痛や胸の圧迫感などが一時的に出現する疾患である。冠血流が長時間(およそ30分以上)にわたって途絶えた場合は心臓の筋肉が壊死して不可逆的な心筋梗塞となってしまうが、短時間で冠血流が再開通した場合には症状はなくなり、心臓に障害を残すこと無く機能も回復する。
【安定狭心症と不安定狭心症の違い】
狭心症の分類として安定狭心症と不安定狭心症がある。これらは心筋梗塞にどの程度移行しやすいかによって分類されている。心筋梗塞に移行する危険性の高いものは不安定狭心症、危険の少ないものは安定狭心症と呼ばれる。
安定狭心症では狭心症発作の起こるタイミングがいつも決まっている場合が多い。例えば階段を登った時や強いストレスを感じた時にだけ決まって胸の痛みが起こり、明確な増悪傾向が見られないのならば安定狭心症であるといえる(発症の閾値が常に一定ともいうことが出来る)。
一方、不安定狭心症とは狭心症の発作の頻度がどんどん増えたり、持続時間などがみるみる長くなっているような状態の狭心症の事を言い、いつ心筋梗塞を起こしてもおかしくないというようなケースのことを指す。
*追記
【不安定狭心症の定義】
不安定狭心症の定義は教科書的には以下のようにされることが多い。
・最近一ヶ月以内に胸痛が始まった
・従来の胸痛症状の頻度が増えた、持続時間が長くなった、程度が強くなった、安静時にも出現するようになった
【狭心症のその他の分類】
狭心症には他の分類方法もある。詳しくは取り上げないが、
病因による分類には器質性狭心症、冠攣縮性狭心症、微小血管狭心症
症状による分類には労作性狭心症、安静時狭心症などがある。