つねぴーblog

元「とある研修医の雑記帳」。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

莢膜とバイオフィルムの違い

莢膜とバイオフィルムの違い

 

違う概念であるが、似ている部分もあるので比較してみた。

 

■莢膜とは

 

細菌の中にはその周囲を粘質な物質で覆っていることがあり、この粘質層と外界小野境界が明瞭な場合には莢膜と言い、外界との境界が明らかでない場合には粘液層という。

莢膜の成分は細菌によっても異なるが、基本的には多糖類やその誘導体もしくはポリペプチドより構成されている。細菌は莢膜で被われることにより食細胞からの貪食を防ぐことが出来る(シールドのようなもの)。また、病原性も有しており莢膜を失った菌の病原性は低下する。同じ菌でも培地によっては分泌する莢膜の量が異なることから環境による影響が少なからずあると考えられている。

 

■バイオフィルムとは

 

バイオフィルムとは微生物とそれらが周囲に分泌する多糖体の複合体である。日常的な例をあげると風呂場などのぬめりに該当する。莢膜は1つの細菌がその周囲に分泌する膜であったが、バイオフィルムとは複数の菌を覆う(莢膜が1匹ごとの盾だとしたらバイオフィルムは核シェルターのようなもの)。バイオフィルムは免疫細胞の攻撃から逃れるだけでなく、抗菌薬の作用からも逃れるので非常にやっかいな存在である。生体内に留置されたカテーテル等にバイオフィルムが作られてしまうと難治性の疾患になってしまうことが多い。