つねぴーblog@内科専門医

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糖尿病合併妊娠と妊娠糖尿病の違い+覚え方

糖尿病合併妊娠と妊娠糖尿病の違い+ゴロ合わせ

 

糖尿病合併妊娠と妊娠糖尿病は似ているが異なる概念であるので注意。

糖尿病合併妊娠とは既に糖尿病と診断されている妊婦が妊娠することであり、妊娠糖尿病とは糖尿病でない女性が妊娠によるカラダの変化により耐糖能異常をきたすことである。

 

妊娠糖尿病の診断基準としては75g OGTTを行い、空腹時血糖値が92mg/dl以上、1時間値が180mg/dl以上、2時間値が153mg/dl以上である。

 

妊娠糖尿病の基準値の覚え方としては・・・

急に言われてもイチゴさん食べちゃった

急に:92

言われても:180

イチゴさん153

 

(糖尿病の診断については教科書など参照)

 また、妊娠中に検査を行い、糖尿病を発見される場合もある。その場合は、妊娠糖尿病ではなく、「妊娠時に診断された明らかな糖尿病」となる。

 

(以下余談)

■妊婦が糖尿病(糖代謝異常)になりやすくなる理由

 妊婦は当然生まれてくる胎児にも栄養を与えなければならない。糖代謝のバランスが狂うのはそのためと考えることが出来る。

胎盤性ホルモンであるhPLの産生が増大すると、肝臓や筋肉の細胞に働きかけてインスリンの抵抗性を増大させる。インスリン抵抗性が増大すると糖が肝臓や筋肉などの細胞内に移行しづらくなり、血中に増えた糖は胎児の方に流れ、エネルギーを供給することができるようになるのである。

また、グルコースが胎児の方に行き過ぎると母体自体の栄養が無くなってしまうが、hPLは肝臓に働き脂質の異化を促進させてエネルギーとして使えるようにしている。