つねぴーblog@内科専門医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

移転しました。

内痔核と外痔核の違い

□痔核の原因

痔核とはそもそも直腸や肛門の静脈叢がうっ滞して出来た静脈瘤である。

原因として以下のものが挙げられる。

1:門脈圧亢進症

肝硬変などで門脈圧が亢進すると、直腸静脈叢の血液は下腸間膜静脈に流入しづらくなり、内腸骨静脈経由で心臓に還ろうとする。それ故に直腸下部静脈叢、もしくは肛門静脈叢が膨れ上がり、痔核が形成される。

2:腹圧亢進

便秘や排便時などのように腹圧に力がかかる状態では静脈血が心臓に還りにくくなるためにうっ滞して静脈叢が形成され、痔核となる。

3:妊娠

子宮が増大することにより直腸静脈や肛門静脈叢がうっ滞し、痔核となる。

 

□内痔核と外痔核の違い

痔核は肛門管の歯状線と呼ばれる場所よりも上にあるか下にあるかで内痔核と外痔核に分けられる(歯状線は組織型が円柱上皮から重層扁平上皮に移行する部分のこと)

 

それぞれの特徴をまとめると…

内痔核の特徴

・直腸静脈叢に由来する

・主な症状は出血と組織の脱出

・3時、7時、11時方向に好発する(この方向は上直腸動脈終末部の方向と一致している)

・知覚神経が分布していないので痛みは通常伴わない(嵌頓した場合は痛みを生じる)

・治療は特に必要としない(ただし嵌頓した場合は痛みが発生するので結紮切除術を行う)

 

外痔核の特徴

・肛門静脈叢に由来する

・歯状線よりも肛門側に発生する

・慢性化したものは無痛性の皮膚の隆起となり、治療は必要としない。

・外痔核に血栓が形成されると急激な痛みを呈する(この場合は硬化療法や結紮切除などの根治的な治療をする。)