つねぴーblog@内科専門医

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微弱陣痛とその原因

微弱陣痛とその原因 

 

 陣痛とは子宮の筋肉が周期的に収縮することにより胎児を娩出させようとする運動であるが、この力が弱まっている状態のことを微弱陣痛と呼ぶ。子宮の収縮力は内側法で測定することができるが、侵襲性もあり簡単ではないので陣痛の持続時間と陣痛周期によってしばしば代用されている。実際には子宮内圧の低下、陣痛周期の延長、持続時間の短縮のうちの1つでも認められたら微弱陣痛と診断される。

 

微弱陣痛はその発症時期により原発微弱陣痛続発微弱陣痛に分けられる。

 

■原発微弱陣痛(分娩開始時より陣痛が微弱のもの)の原因

・子宮がうまく収縮ができない(ex.子宮筋腫

・子宮筋の過伸展により収縮できない(ex.羊水過多、多胎妊娠)

・子宮奇形や帝王切開の既往により子宮筋が薄くなっている場合

・心因性(体調不良や恐怖などにより力を入れられない)

 

■続発微弱陣痛(分娩の途中から陣痛が微弱となったもの)原因

・遷延分娩(母体の疲労による)

・産道の異常(軟産道強靭や児頭骨盤不均衡)

・胎児の下降部が子宮頸神経叢を刺激できない場合(児頭骨盤不均衡、前置胎盤)

・胎児の異常(水頭症や巨大児などによる児頭骨盤不均衡)

・胎位、胎勢、回旋異常(これらは原発微弱陣痛の原因となることもある)

 

■微弱陣痛の対応法

基本的には待機して子宮収縮力が回復するかどうかを見る。もしも無理であれば子宮収縮促進薬であるオキシトシンやプロスタグランジンの投与を行う(併用は陣痛を強くしすぎてしまうので禁忌)。また、児頭骨盤不均衡による微弱陣痛の場合は帝王切開の適応となる。