カーリーラインの原因とメカニズム
カーリーライン(カーリー線)とは何か
カーリーラインとは胸部レントゲン写真において、小葉間隔壁の肥厚により見られる線状陰影である。
原因として肺水腫、癌性リンパ管症など間質の浮腫による肥厚や、間質性肺炎のように間質の線維化などがある。
カーリー線はそのタイプに応じてA線、B線、C線と分類されている。
A線:肺門付近の放射状陰影
B線:下肺野の外側にできて胸壁と交わる水平な線
C線:A線とB線が重なりあうことでできる網状陰影
↓海外のサイトからお借りしたカーリーBラインの画像です
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カーリーBラインのできるメカニズム
小葉辺縁を走行する肺静脈は大きさとしては0.3mmほどであり、CTの分解能である0.5mmよりも小さく、健常者であればみることは出来ない(もちろん見えないのは肺の末梢の静脈であり、中枢に近い肺静脈は観察できる)。
しかし、うっ血性心不全のように広義の間質に水の貯留する疾患では間質が肥厚して見えるようになるのである。
肺の辺縁の間質は横方向に走っていて、なお小葉の大きさも1cmほどなので肺静脈も1cm間隔で並んでいる。故に、カーリーBラインは肺の末梢の底部で1cm間隔の横線として見えるわけである。なお、肺水腫は基本的に両側で起こるので右、左両方で観察することが出来る。