つねぴーblog@内科専門医

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高位精巣摘除術の高位とは何か

高位精巣摘除術とは精巣腫瘍に対する治療法および検査法である。

一般的に悪性腫瘍の治療において、腫瘍が局在しているならば外科的に、あるいは内視鏡的手技などによって切除することによって治療することが可能である。しかし、精巣腫瘍は手術によって容易に転移してしまうリスクがあるので、手術前に精巣からの血流を遮断しておいて転移を予防する必要がある。

 

その術式が”高位精巣摘除術”なのである。「高位」というのは一体何なのかという話であるが、これは鼠径管の辺りという意味である。

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イラストは鼠径ヘルニア: 陰茎と精巣の病気: メルクマニュアル 家庭版より引用

 

精巣は精索によって上方向に管を出していて、途中で鼠径管に入る。精巣腫瘍の転移を事前に防ぐために、精巣よりも高い位置、つまり高位である鼠径管のレベルで結紮して血流を遮断しておく。その後、精巣と精索をひとつの塊として摘出するのが高位精巣摘除術である。また、精巣腫瘍の治療においては組織型が重要であるので、摘出した精巣腫瘍の病理診断を行い組織型を決定する。なお、当然であるが精巣腫瘍においては生検は腫瘍細胞を播種させてしまうので禁忌となる。