つねぴーblog@内科専門医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

移転しました。

骨膜反応とは何か

骨膜とは緻密骨の外側にある線維性の被膜であるが、通常はX線では写らない。しかし骨腫瘍や骨髄炎あるいは外傷などによって骨膜が刺激されて骨新生が起こるとX線上で陰影として描出されるようになる。この現象は病的であり骨膜反応と呼ばれている。

骨膜反応をみたら特に悪性腫瘍を疑わなければならない。

 

骨膜反応の種類

・骨膜肥厚:腫瘍などが骨膜を刺激してX線上で陰影として描出される。ただしこの所見では腫瘍が骨膜を突き破って浸潤している可能性は低いので骨膜内に留まっている良性腫瘍が疑われる。

 

・spicula(sunburst appearance)

腫瘍が骨膜を突き破って外部に出た場合、骨膜も反応性に腫瘍と同じ方向に成長して骨を作り出すことが有る。spiculaとは”垂直”という意味であり、元々ある骨膜に対して垂直方向に骨形成されているということを意味している。悪性腫瘍が疑われる。

 

・重層陰影(onion peel appearance)

骨膜が腫瘍により内側から持ち上げられている時に骨膜による骨新生が段階的に起きて層状に見えているもの。Ewing肉腫や悪性リンパ腫などを疑う。

 

・Codman三角

腫瘍が骨膜を下側から押して、突き破って外に出た状態。そこで骨膜下に新整骨を形成して三角にみえるもの。

 

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医師国家試験100H35より