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とある研修医の雑記帳

東京から大阪の医学部へ亡命して研修医になった人のブログ。勉強のまとめ、思いつきの考察、ちょっとした雑学などなど。アウトプットが趣味です。

A群βとB群β溶連菌の違い

A群βとB群β溶連菌の違い

 

紛らわしいので整理。

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写真出典:東京都感染症情報センター

 

 

連鎖球菌感染症はその溶血性や型によっていくつかのタイプに分類される。

 

■溶血性の分類について

α溶血(不完全溶血):溶血部の周囲が緑色になる
β溶血(完全溶血):溶血部の周囲が透明になる
γ溶血(非溶血) 

 ・γ溶血は臨床的に問題となる菌は少ない。

 

また、溶血性の分類は独立して、細胞壁の抗原性によっても分類されており、A〜Vタイプまで分けられている(Lancefield分類)。

 

■A群β溶連菌について


急性感染症と続発症がある。
急性感染症とは気道感染症として咽頭炎や扁桃炎。
また、皮膚感染症として丹毒や蜂巣炎などを引き起こす。侵襲性が高いときは壊死性筋膜炎や激症型A群レンサ球菌感染症(いわゆる人喰いバクテリア)となる。

また、A群β溶連菌による咽頭炎や扁桃炎に全身性の発疹を伴うものを猩紅熱と呼ぶ。莓舌が代表的な所見。


続発症というのは溶連菌に対して免疫的な反応が起こり、約2週間後に急性糸球体腎炎(いわゆる溶連菌感染後糸球体腎炎)を引き起こしたりリウマチ性心疾患により僧帽弁閉鎖不全症や僧帽弁狭窄症になる。
急性糸球体腎炎は溶連菌とそれに対する抗体が複合体を形成し、免疫複合体として糸球体に沈着することにより腎臓が障害される。

リウマチ熱では、溶連菌のもつMタンパクなどの成分と心筋の抗原性が似ているために、溶連菌に対する抗体が心筋に結合し障害を引き起こしてしまうのである。


■B群β溶連菌について

B群β溶連菌は咽頭や膣などの常在菌。臨床的に問題になるのは妊婦が出産の際に新生児に垂直感染させてしまうことである。感染症として発症する率はおよそ1%と低いが、出生後数時間以内に発症し、敗血症、肺炎、髄膜炎などが起こる。膣に保菌状態の妊婦には予防のためにペニシリン投与を行う。