つねぴーblog@内科専門医

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ALSと脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症の違い

ALSと脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症の違い

 

ALS(筋萎縮性側索硬化症)は上位運動ニューロンと下位運動ニューロンがともに変性する疾患である。
上位運動ニューロンの障害により、腱反射亢進、バビンスキー反射などがみられ、下位運動ニューロンの障害により筋肉の萎縮、繊維束収縮などがみられる。
また、球麻痺といい、延髄に核のある脳神経の運動神経障害も起こる(9、10、12番)。一方で自律神経障害や感覚障害がないのも特徴的。

 

ALSと少し似た疾患について


■脊髄性筋萎縮症(SMA)
名前の通り、脊髄と筋肉の病気

3つのタイプが知られている。
SMAI型(重症型)(別名:Werding-Hoffmann病)
SMA㈼型(中間型)
SMA㈽型(軽症型)(別名:Kugellerg-Welander病)

この病気の病態は下位運動ニューロンが障害されることである。
SMA1型は常染色体劣性遺伝をし、生後まもなく発症し、呼吸筋の障害により生後間もなく死亡する。筋緊張がなく、いわゆるfloppy infantの状態で生まれてくる。

SMA3型も同じく常染色体劣性遺伝をするが発症は学童期あたりであり進行が遅く予後は比較的良好。下肢の筋力低下で発症するが、中年以降になっても歩行可能な場合もある。

 

■球脊髄性筋萎縮症(BSMA)
名前の通り、球麻痺に加え、脊髄と筋肉の病気。

本疾患は下位運動ニューロン障害に加えて球麻痺がある。さらにandrogen受容体に以上があるために性腺機能障害や女性化乳房をきたす。
遺伝形式はX連鎖劣性なので男性にしか発症しない。発症は20〜50代と言われており進行は緩除である。