つねぴーblog@内科専門医

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移転しました。

網膜色素変性症で夜盲になる理由

網膜色素変性症で夜盲になる理由


網膜色素変性症とは桿体細胞が変性し、夜盲と視野異常をきたす疾患である。本疾患は遺伝病であり、幼児期から青年期に夜盲として発症し、末期になると失明する。有病率は10万人あたり20人ほど。

桿体細胞は網膜の周辺部に存在し、光の明るさを感知しているので、桿体細胞が障害されることにより暗い場所でものをよく見えなくなる(夕方など)。初期の視野異常は輪状暗点で、進行すると錐体細胞も障害され、次第に求心性に見えなくなる。
眼底では周辺部に骨小体様色素沈着があることが特徴。これは変性した視細胞と考えられる。網膜電図では平坦化。

現在のところ有効な治療法はない。

 

余談ではあるが明るさを感知する桿体細胞は網膜の中央ではなく周辺部に多く存在しているので夜空の星を見るときなどは敢えて見たい星から少し視線をずらしたほうがよく見える。