つねぴーblog

元「とある研修医の雑記帳」。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

科学的根拠のあるダイエット方法について考えてみる

科学的なダイエット方法について考えてみる

 

冗長になってしまったので簡単に目次

・そもそも肥満とは
・肥満度の指標:BMIについて

・脂肪蓄積の仕組み(脂肪以外を摂っても体内で脂肪になる)

・脂肪摂取を減らすというのはどうなのか

・糖質制限ダイエットは良いのか

・ダイエットに激しい運動は必ずしも必要ない

・運動には効果的な順番がある

 

・そもそも肥満とは


当たり前の話ではあるが、食べれば食べるほど体重は増える、運動すればするほど体重は減るという大原則がある。効率的にダイエットをしたいのであればどのような物を食べたら太りやすいか、そしてどのように運動をしたらやせやすいかということを意識しなければならない。

 

体重が増えるというのはカラダに脂肪が蓄積するからともいえる。現在の日本は飽食の時代などと呼ばれ、食べ物に困ることはほとんどないが、かつて人類が狩猟や採取で生活をしていた時代は何日も食べる物がないという状況にしばしば晒された。人類は食事によって消化・吸収した栄養素のうち余った物を脂肪として体内に蓄え、十分な食料が確保できない時にカラダの脂肪を分解してエネルギー源とすると言うメカニズムを発達させてきたのである。今でこそ歓迎されない肥満ではあるが、人類が生き残るためには必要不可欠なカラダの仕組みであったのである。

 


・肥満度を測るBMIについて

どの程度太っているのかというのは体内に脂肪がどの程度沈着しているかということと相関があるので、肥満度の測定には体脂肪率を測るのが合理的だ。しかしながら、体脂肪を測定するには特別な機械が必要であるうえに、どうしても誤差がでてしまう。そこでより簡便に肥満度を測定する方法としてBMIが考案された。

 

BIMはご存じの通り体重を身長の2乗で割ったものである。BMI22が標準的とされているが、日本ではBMI25以上が肥満である。しかし、世界的にはBMI30以上が肥満と定義されている国も多い。民族によってその基準値が異なるので注意が必要だ。
なぜ基準値に違いがあるのかというと、日本人ではBMI25を越えると糖尿病などの生活習慣病を発症しやすくなるが、アメリカ人では30以上にならないと発症頻度は上昇しないからである。
つまり、「アメリカ人はみな太っているのだから(日本人である)自分ももっと太っても大丈夫」と勘違いしてはならない。

 日本人では理想的なBMIは22とされているが、これはBMIの値ごとに疾患にどのぐらいなりやすいかを解析したところ、22がもっとも病気にかかりにくかったことがわかったので22が理想的とされたのである。つまり低すぎても高すぎても病気になりやすくなるのである。

 

■脂肪蓄積の仕組み
食べて余ったエネルギー源は脂肪として蓄積されるが、初期では白色脂肪細胞が大きくなることで脂肪の蓄積が進み、更に太ると白色細胞の数自体が増えていくことが知られている。高級な肉として有名な”霜降り肉”とはまさに白色脂肪細胞が筋肉の間に沢山ついた状態なのである。


■脂肪だけでなく、炭水化物やタンパク質も体内に脂肪になる


人間の摂取する栄養素は大きく分けて3つ。
ご飯などの炭水化物、肉や魚などのタンパク質、そして脂肪である。太るという状態は脂肪が増えている状態にほかならないが、かと言って脂肪以外の炭水化物やタンパク質をたくさん食べてよいと言うことにもならない。炭水化物であれタンパク質であれ、いずれも余ったものは脂肪に作り替えられ、白色脂肪細胞内に蓄積されるのである。

それぞれどのようなプロセスを経て脂肪になるのかざっくりと説明しよう

 

炭水化物:

消化酵素アミラーゼによってブドウ糖というもっとも単純な糖類(単糖類)に作り替えられる。そして小腸から吸収され全身を巡る。血液中のブドウ糖濃度はいわゆる血糖値として測定され、筋肉や肝臓ではグリコーゲンとして貯蔵される。筋肉や肝臓でも使えないほどのブドウ糖は脂肪組織の白色脂肪細胞に取り込まれて脂肪酸へと変換され、これを材料に中性脂肪が合成されるのである。 

 

タンパク質:

タンパク質は消化酵素によってアミノ酸に分解される。このアミノ酸はふたたびタンパク質になることによって体の中で様々な働きをしている。余ったアミノ酸は肝臓に運ばれ、糖新生というメカニズムによりブドウ糖へと生まれ変わる。ブドウ糖が十分にあるときはやはり白色脂肪細胞に取り込まれてしまう、つまりタンパク質も巡りに巡って脂肪になってしまう。

 

 もちろん脂肪は決して悪者ではなくて、食べるものが何もない時などは脂肪が脂肪酸へと分解されてエネルギー源として働いてくれるのである。飽食の時代としては邪魔者ではあるが、飢餓と直面していた時代の人類からしてみれば必要不可欠なものであったに違いない。炭水化物を硬貨とすれば、脂肪はお金を預けている銀行みたいなもの。

 

 

■ダイエットで脂肪の摂取量だけを減らすのはどうなのか

 一般的に脂肪はダイエットする人からしてみたら大敵のように思われがちだが、それは誤った認識である。脂肪は細胞膜の構成成分、ホルモンの材料、またビタミンの吸収を助けるなど生体に必須の栄養素である。問題なのは善玉コレステロール(HDL)と悪玉コレステロール(LDL)のバランスである。特にn-3系多価不飽和脂肪酸が悪玉コレステロールを減らしてくれることがわかっており、魚の摂取が推奨されている所以でもある。

 

・脂質をとると太りやすいと言われるのはなぜ?

 炭水化物、脂肪、タンパク質それぞれの栄養素では1gあたりのカロリーは異なるのである。1gあたり、炭水化物は4.1kcal、脂質は9.3kcal、タンパク質は5.6kcalと言われており、同じ重さだけとるとしたら当然脂質がカロリーが多く、太りやすくなるのである。

 

■糖質制限ダイエットは効果あるか?

 

 人のカラダは飢餓の状態になると本能的に少しの無駄もなく脂肪を体内に蓄積させようとするメカニズムが備わっている。特にに炭水化物の減少に体は敏感で、過度の炭水化物ダイエットをしているとカラダは餓死寸前と勘違いをしてしまい、むしろ脂肪がどんどんと蓄積されてしまい体脂肪率が上昇してしまう可能性があるのである。そうすうと、体重は平均的でも体脂肪だけが高いという、不健康な状態になってしまうのである。また、飢餓状態と勘違いされると体はできるだけ省エネを維持しようとするので、交感神経が抑えられ、低血圧、冷え性、寝起きが悪くなるなどの症状が出現してしまう。また、脂肪をためる代わりにタンパク質がどんどんと分解されてしまうので筋肉量が減ってしまうことになる。筋肉量が減ると基礎代謝も落ちるのであまり食べてないのにすぐ太ってしまうという体質を招きやすい。こうなっては元も子もない。

 そんな状態を防ぐには低カロリーダイエットをしていても適度に糖質をとり続けることが大事。厚生労働省のガイドラインでは総エネルギーの60%は糖質でまかなうように記されている。炭水化物ダイエットは炭水化物をとらない代わりに油の摂取量が多くなるのでやはり動脈硬化のリスクは高くなるし、タンパクの採りすぎで腎臓への負担にもなる。早くから体重の減少が期待できる糖質制限ではあるが、最終的には他のタンパクや脂肪も同時に減らす一般的なダイエットと体重の減少量は同じようになる。また、医学的にはリスクも多く学会では推奨されていないのが現状である。

 

 

■ダイエットに激しい運動は必要ない

 運動してダイエットするにはかなり激しい運動が必要と勘違いされていることもあるが、実際はそうではない。むしろゆっくりな運動、スロージョギングの方がダイエットに効果的であるというデータ集まってきている。
 スロージョギングとは文字通りゆっくり走るということ。これはウォーキングよりかは早いけれどもいわゆるランニングやジョギングよりかはゆっくりと走るというイメージ。目標としてはニコニコ笑顔を保てるぐらいのスピードで走る。

 普段運動しない人であればランニングをしてもすぐに息が切れてしまい長続きしない。しかし、スロージョギングなら普段ほとんど運動しない人でも続けることができる。疲れたら歩いてまた、本当にゆっくりとしたジョギングを開始すればよいのだ。


 人間の筋肉には速筋と遅筋という2種類の筋肉がある。速筋というのは文字通り速い運動などの時に使われる筋肉で、短距離走など瞬発力が求められる運動の時に重要となる。一方で遅筋とはゆっくりとした運動の時に使われるのでウォーキングやスロージョギングの時などに使われるのである。
 速筋は酸素を使わない解糖系というエネルギー代謝経路を利用しているのに対し、遅筋は細胞の中にミトコンドリアがぎっしりとつまっているので有酸素運動向きの筋肉なのである。全力でダッシュすると速筋が酷使されあっという間にバテてしまうが、スロージョギングのような遅筋を活用した運動では疲れることなく長時間走り続けることができ、その間にどんどんど脂肪を燃やすことができるのである。スリムな体型を維持なら一日30分、減量なら一日40〜50分を目標にやってみよう。

また、ダイエットとは関係なしに習慣的な運動は脳の機能を向上させたり、認知症予防、鬱病予防などの効果があることが近年の研究の結果わかってきており強く推奨したい。

 

■運動には効果的な順番がある

 さらにおすすめなダイエット方法としては筋トレとジョギングを組み合わせる方法である。科学的な根拠について話させてもらうと、腕立てふせやスクワットなどの筋トレを行うと乳酸が発生されるが、これには脳下垂体という場所から成長ホルモンが分泌させる作用がある。成長ホルモンは体脂肪を分解して遊離脂肪酸にしてくれる生理作用がある。遊離脂肪酸の状態の時にジョギングをすれば効率的に脂肪酸を燃やすことが可能なのである。遊離脂肪酸は時間がたつと再び脂肪になりカラダに蓄積されてしまうので、筋トレ直後にジョギングしないとあまり効率的なダイエットにはならないので注意。

 

 「ジョギングだけ」と「筋トレ後にジョギング」では後者の方が脂肪の燃焼率は約2倍高いといわれている。すこし面倒くさく思えるかもしれないが、筋トレは激しいものでなくとも「ゆっくりとした腹筋」や「かかと上げ」などでも効果があるので本気でダイエットしたい人には是非ともおすすめしたい方法である。