つねぴーblog

元「とある研修医の雑記帳」。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

有棘細胞癌と基底細胞癌の違い

有棘細胞癌と基底細胞癌の違いについて

 

有棘細胞癌について

 

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熱傷後の瘢痕より生じた有棘細胞癌の一例

(慶応大学附属病院HPより引用)

 

有棘細胞癌とはケラチノサイト(ケラチンを分泌する細胞)が悪性化して増殖したものである。癌前駆症(ボーエン病、日光角化症、白板症)や発生母地(熱傷瘢痕、放射線皮膚炎)などが誘引となることが多い。熱傷後30年以上たってから瘢痕部位が癌化することもある。

 

症状としては、頭部や顔面、手背などの露光部に小さな結節状病変が出現し、皮膚に隆起する腫瘤となり表面が壊死してびらん潰瘍状態(カリフラワー状)を呈する。また、独特な悪臭を放つことでもうう名。リンパ行性に転移することが多い。

 

治療は原則外科的切除を行う。根治が望める場合は所属リンパ節の郭清。病期分類によっては化学療法、放射線療法も行う。有棘細胞癌は誘因がわかっているので、治療よりもまず予防に力を入れるべき癌とも言える。

 

基底細胞癌について

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写真は大阪医療センター皮膚科HPより引用

 

基底細胞癌は表皮胚芽細胞由来の腫瘍であり、眼瞼部や鼻周囲、頬、口唇上部など胎生期の顔裂線に一致してみられる。これらの好発部位に紫外線が誘引となり発症する。

高齢者に多く、前駆症状なしに緩徐に発育する。しかしながら、有棘細胞癌と異なりリンパ節や臓器への転位は起こしにくい。

 

基底細胞癌はいくつかの臨床型に分類される。

結節潰瘍型:境界明瞭で辺縁が隆起し、中央が凹んだ黒色結節

破壊型:浸潤度が強く、結節とはならずに潰瘍を呈しながら拡大する

表在型:結節にはならず辺縁が濃い黒色局面のもの

斑状強皮症型:浸潤度が強く境界不明瞭で線維化を伴うもの

治療としては、リンパ節転移が少ないので、外科的切除や放射線照射で完治できることが多い。ただし、顔面に好発するので整容的な問題が発生することも多い。