つねぴーblog@内科専門医

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移転しました。

感染性心内膜炎で脳動脈瘤ができる機序

感染性心内膜炎で脳動脈瘤ができる機序

 

感染性心内膜炎とは弁膜、心内膜、大血管内膜などに細菌や真菌などの微生物が付着し、そこの障害部位を修復しようとフィブリンや血小板が集まり、食細胞の貪食を受けることなく、増殖し疣腫を形成する。

感染症であるので発熱や関節痛などの症状を呈し、また疣腫がはがれて飛んでいくことにより末梢血管の塞栓を起こすこともある。点状出血として有名。

 

 さて、脳動脈瘤とは基本的には先天的に中膜の欠損があり、そこに内弾性板の断裂、血圧の付加が加わることにより動脈が膨らむ状態である。感染性心内膜炎では先天性の原因は関係なく、疣腫から菌塞栓が遊離し飛んでいき、他の部位と同じように脳の動脈にも付着し、そこで血管壁の中膜で炎症が起こり血管壁が脆弱化して動脈瘤が形成されると考えられている。これらは原因によって細菌性脳動脈瘤、真菌性脳動脈瘤などと呼ばれる。