つねぴーblog

元とある研修医の雑記帳。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

血小板輸血不応の定義の予防法

血小板輸血不応の定義

 

血小板輸血を行っても予期したほどの血小板数の上昇が見られない状態を血小板輸血不応状態と呼ぶ。定義としては輸血1時間後の補正血小板増加数(CCI)が7500/uL未満、血小板回収率が30%以下が2回続いた場合を血小板輸血不応とする。

 

・補正血小板増加数とは…

輸血効果の判定のために臨床症状の改善の有無に加えて血小板数の増加の程度を評価する。血小板数の増加の評価は輸血してから1時間後、20時間後に判定する。血小板がどの程度増加したかの概算式が補正血小板増加数(CCI)であり

CCI=血小板増加数/μL ×体表面積(m^2) / 輸血血小板総数(×10^11)

により求まる。(正常なら7500-10000/μl以上であり、それ以下であれば血小板輸血不応を考える)

 

血小板輸血不応の原因

非免疫性の機序と免疫性の機序の2つがある。

 

【非免疫性の機序】

比較的頻度の高いものとして、発熱、感染症、敗血症、出血、DIC、脾腫などがあげられる。この他骨髄移植やバンコマイシン、アムホテリシンBなどの薬剤によっても血小板輸血不応の報告がある。血小板輸血不応状態から脱出するにはこれらの原疾患の治療を行う必要がある。これらの原疾患が考えられない場合は免疫性の原因を考える。

 

【免疫性の機序】

血小板表面に存在するHLA抗原、あるいは血小板特異抗原とこれらに対する同種抗体との反応によって生じる。8~9割は抗HLA抗体によって起こると考えられている。(また、HLA抗原は白血球上にも存在し、これらの抗原性は血小板に比べて強いと考えられており、白血球除去フィルターにより濃厚血小板中の白血球を除去することによって同種免疫を阻止できると期待される)

 

HLA抗体は産生される頻度は高いが、HLA適合血小板輸血が有効である場合が多い。もしこれが無効であった場合は、血小板特異抗体の存在を考え、血小板型適合血小板輸血を行う。

 

HLA抗体産生のメカニズム

 

HLA抗体が賛成されるのは初期免疫では主に血小板輸血に混入している白血球によるものである。(血小板のHLA抗原は二次免疫に関与している)。白血球の数は500万以上であると初期免疫が感作されてしまうので、血小板輸血をする際は白血球除去フィルターを用いて500万以下になるようにすることで、HLAクラス1への抗体産生が抑制される。現在では白血球除去フィルターの性能が向上して抗体産生の抑制がうまくいっている。他の予防策として紫外線照射が考えられており、UVBを照射すると抗原提示細胞である樹状細胞や単球を破壊して抗HLA抗体の産生を防止することができる。また、血小板機能も損なわれない報告もあるので今後実用化が期待されている。