つねぴーblog@内科専門医

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溶連菌感染後糸球体腎炎の治療でステロイド禁忌の理由

溶連菌感染後糸球体腎炎の治療でステロイド禁忌の理由

 

溶連菌感染後糸球体腎炎とはA群β溶連菌に感染してから2週間ほどして血尿、タンパク尿、浮腫、高血圧などを呈する疾患である。病態としては溶連菌の抗原が糸球体に沈着し、それに対して抗体が産生されて糸球体で免疫複合体が形成されて好中球の浸潤や補体の活性化も起こしてしまい糸球体が傷害されてしまう。
結果として腎臓の濾過能力は低下して体内に水が貯留してしまう。故に高血圧になる。

治療としては高血圧を是正するべく塩分制限や水制限。場合によっては利尿薬を用いる。
免疫的な機序によってダメージを受けているのだから免疫を抑制するべくステロイドを使いたいところであるが原則禁忌である。ステロイドにはアルドステロン作用があるので尿細管でナトリウムの再吸収を促進し、それに連動して水も再吸収されてしまうので高血圧がより進行し、高血圧性脳症を起こしてしまう危険性がある。