収縮性心膜炎でkussmaul徴候がみられる機序
収縮性心膜炎でkussmaul徴候がみられる機序
収縮性心膜炎とは慢性が持続することにより心膜が繊維性に肥厚、石灰化し、心室の拡張が障害される疾患である。その結果、心臓の拍出低下に加えて全身のうっ血症状もきたす。うっ血症状として特徴的なのが吸気時に頸静脈の怒張が強くなるKussmaul徴候である。
Kussmaul徴候のメカニズム
吸気時には横隔膜と外肋間筋が働き、胸腔が大きくなる。すると胸腔内圧は陰圧となる。それにより静脈還流量は増加するはずであるが、収縮性心膜炎では心外膜が硬化しており、右室の拡張が制限されているため、静脈灌流がうっ帯してしまう。よって頸静脈の怒張が吸気時により増強してしまうのである。
Kussmaul徴候の原因としては収縮性心膜炎以外にも、三尖弁狭窄、上大静脈症候群、拘束性心筋症、重症右心不全などでも生じうる。