つねぴーblog@内科専門医

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褐色細胞腫の治療でβブロッカーではなくαブロッカーが用いられる理由

褐色細胞腫の治療でβブロッカーではなくαブロッカーが用いられる理由

 

褐色細胞腫とは副腎髄質細胞や傍神経節細胞から発生する腫瘍でカテコールアミンを過剰に産生することから高血圧や代謝亢進などの症状を引き起こす疾患である。高血圧の治療としてはα1受容体拮抗薬が用いられるがβ遮断薬の単独投与は原則禁忌となっている。

なぜなら過剰に産生されるカテコラミンはα受容体を介して血管収縮を引き起こしていると考えられているからである。よってα受容体遮断薬であるフェノキシベンザミンやプラゾシンを用いることによって降圧を測る。

β遮断薬の単独投与は原則禁忌となっているが、これはβ遮断薬を使うことによって相対的にα受容体の血管収縮作用が亢進して高血圧クリーゼを引き起こしてしまう。ただ、α遮断薬との併用であればβ遮断薬は投与可能であり頻脈予防に用いられる(β遮断薬は血管収縮の働きがあるが同時にα遮断薬が拡張してくれるので併用なら何とか大丈夫)。

カルシウム拮抗薬やACE阻害薬も降圧作用を期待できるが本症ではα遮断薬が第一選択である。