痛風と偽痛風の違い
痛風と偽痛風の違い
偽痛風とは…
痛風とは尿酸塩結晶が関節内に析出する事により生じる急性関節炎発作である。尿酸代謝異常により高尿酸血症を持続することで発症する。偽痛風は痛風と同じように急性の関節痛発作を起こすが、析出する物質が尿酸ではなくピロリン酸カルシウムである。一見痛風のように見えるので”偽痛風”と呼ばれるようになった。偽痛風は膝関節などの大関節を主に侵す。
偽痛風はピロリン酸「カルシウム」の沈着が起こるので、関節をレントゲン撮影すると半月板などの関節軟骨部に石灰化を認めることができる(石灰化が見られなければ偽痛風は否定的であるが、高齢者では健常者でも石灰化を起こしていることが多いので特異的な所見とはいえない)。尚、超音波検査でも半月板の石灰化を感度特異度ともに高く診断することができる。
また、関節の破壊は軽度で痛風にみられるような骨の打抜き像はみられない。偽痛風の診断は穿刺により関節液からピロリン酸カルシウムを採取すれば確定となる。治療としては関節穿刺で関節内のピロリン酸カルシウム結晶の除去、白血球の除去である。
簡単にまとめておくと
原因物質
痛風:尿酸(高尿酸血症による)
偽痛風:ピロリン酸カルシウム(Fe,Ca,P,Mgなどの代謝異常による)
男女比
痛風:20:1
偽痛風:1:3
好発年齢
痛風:30代〜50代
偽痛風:60歳以上の高齢者
好発部位
痛風:第1中足趾節関節
偽痛風:膝関節などの大関節
高尿酸血症
痛風:ある
偽痛風:基本的に伴わない