生理食塩水輸液が0.9%である理由
生理食塩水輸液が0.9%である理由
なぜ生理食塩水を輸液する際の濃度は0.9%なのだろうか。その考え方。
生理食塩水、つまりNaClの分子量は58.5なので、1gのNaClの分子量は1/58.5=0.0017=17mmolとなる。0.9%NaClというのは1LのNaCl溶液に9gのNaClが溶けているので9×17=153(小数点以下の計算で実際には154となる)。よって0.9%NaClには154mEqのNaと154mEqのClが溶けているということになる。浸透圧を計算すると154+154=308mOsm/kgとなってしまいそうであるがNaClの解離係数は0.93であるので308×0.93=286mOsm/kgとなり、血漿浸透圧とイコールになるのである。血清浸透圧の正常値は280~290である。
(おまけ:血清浸透圧の計算式は2Na+glucose/18+尿素窒素/2.8であり、Naを2倍+αすれば大体血清浸透圧の値となる。