交通性水頭症と非交通性水頭症の違い
交通性水頭症と非交通性水頭症の違い
水頭症とは、髄液が頭蓋内腔に過剰に貯留した状態の疾患。
髄液の流れ:
脳室の脈絡叢から分泌→側脳室→モンロー孔→第三脳室→中脳水道→第四脳室→ルシュカ孔→マジャンティー孔→くも膜下腔という順になっている。くも膜下腔に到達した髄液はくも膜顆粒を経て静脈洞から吸収される。
☆非交通性水頭症と交通性水頭症の違い
非交通性水頭症とは
脳室やその出口に閉塞が起こり、髄液がくも膜下腔に流出できない状態。すると髄液がどんどんたまって閉塞部位より上側の脳室が拡大する。
原因としては髄芽腫などの脳室周囲の腫瘍、先天奇形などが代表的。
交通性水頭症とは
くも膜下腔に閉塞があり、髄液が静脈洞に排泄されない状態。非交通性水頭症とは異なり、脳室系とくも膜下腔は交通しているが、それ以降に閉塞がみられる。脳室とくも膜下腔が均一に拡大する。
つまり非交通性と交通性はどこに閉塞が起きているかで分類されたものである。
追記:正常圧水頭症で神経症状がでるのは何故か
正常圧水頭症とは歩行障害、尿失禁、認知症を3徴とする疾患である。原因としてはくも膜下出血の合併症が代表的。くも膜下腔において髄液通過障害が生じて脳室が拡大するが、髄液圧は正常範囲にとどまる