つねぴーblog@内科専門医

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血漿鉄消失時間とは何か

血漿鉄消失時間とは何か


血漿鉄消失時間(PIDT:plasma iron disappearance time)とは放射性同位体で標識した鉄を静脈注射し、その鉄が血漿から消えるのにどのぐらいの時間を要するかを測定する試験である。一般的には半分の量になるまでの時間を計り、、PIDT1/2などと表記される。血漿から鉄が消えるというのはすなわち骨髄に取り込まれることを意味するので、骨髄における鉄需要を反映する。

 

PIDT1/2短縮の原因


PIDTが短くなると言うことは骨髄が鉄を欲している状態。具知的には

・鉄欠乏性貧血(文字通り鉄が足りない状態)
・巨赤芽球性貧血(無効造血をきたすので骨髄はやや過形成気味で多くの鉄を欲する)
・溶血性貧血(赤血球が足りないので骨髄は過形成。故に鉄をたくさん必要とする)
・骨髄異形性症候群(複数系統の骨髄系細胞が異形成し、無効造血による血球減少と前白血病状態という2つの特徴を持つ。)

などが考えられる。

 

PIDT1/2延長の鑑別
PIDTが長くなると言うことは骨髄が鉄を必要としていないと言うこと。
疾患としては

・再生不良性貧血(骨髄の低形成による汎血球減少)
・赤芽球癆(再生不良性貧血の赤芽球系のみの障害バージョン)

が考えられる。