つねぴーblog

元「とある研修医の雑記帳」。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

Ham試験と砂糖水試験について

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Ham試験と砂糖水試験のメカニズムについて

 

ともに発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)を調べるための検査法である。PNHとは血液細胞の補体感受性が亢進していて、血管内溶血を起こしてしまう疾患。貧血や黄疸などの症状がみられる。

 

Ham試験とは・・・
正常の血清に患者の赤血球を入れて、そこに塩酸を加えて血清を酸性にする。補体は酸性の方が活性化しやすいという性質を持つので、もしPNHであるなら活性化した補体に血液細胞は破壊され溶血が起こる。健常人の赤血球は補体が活性化されても耐えることができる。(ちなみにHamとは血液学者の名前)

 

*補体が酸性化において活性化しやすいと言う事実は本症に特徴的な所見である「早朝の褐色尿」と関係している。すなわち、睡眠中は低換気になるので血中CO2が上昇し、呼吸性アシドーシスとなる。故に補体が活性化され、血管内溶血が起こり、早朝のヘモグロビン尿となるのである。

 

砂糖水試験とは・・・
名前の通り砂糖を用いる試験。患者の赤血球を等張の砂糖水に浮かべる試験であり生理食塩水と同じ浸透圧になるように調節する。NaやClイオンが存在しないように調節する。補体はイオンが少ない環境でも活性化しやすいのでPNHの患者の血液細胞は補体の攻撃によって溶血してしまうのである。健常人の血液細胞は耐えることができるので溶血しない。


尚、Ham試験も砂糖水試験も信頼度ではフローサイトメトリーには及ばない。フローサイトメトリーでCD55陰性、CD59陰性のPNH血球が複数の系統の血液細胞にみられた場合にPNHと診断される。