腹上死の原因と確率
腹上死とは性行為の途中(あるいはその後二時間以内)に突然死をきたす事を言う俗的な言葉であるが、実際の所腹上死の原因と頻度はどのようなものなのだろうか。
「内科診断リファレンス」を参考にデータを列挙すると
・性行為後に時間は交感神経の活性化と心筋酸素必要量増加により心筋梗塞のリスクが高まる(心臓の筋肉が沢山動いているのにそれに見合った酸素が届いていない)
・発症の頻度としては過半数が性行為後に起こる。
・性行為は平均3,3METSに相当する。
*METSとはmetabolic equivalentの略で運動を行った時に安静状態の何倍のカロリー消費をしているのかを意味している。3,3METsは以下の表によればストレッチやお風呂掃除の中間に位置している。ただあくまで3,3というだけなので実際には6METs相当のウェイトトレーニングなどの運動負荷が可能な場合、安全に性行為ができると考えられている。
・好発は中高年男性(95%が男性)。腹上死の原因の半数は心筋梗塞。その内の半数に心筋梗塞の既往がある。つまり、一度心筋梗塞を起こしている人は要注意。
・腹上死を起こすリスクは10万人あたり0.2人と推定されている。つまり0.0002%。確率的には相当低いといえる。